日本のe-sportsスポンサーの99%が「投資効果ナシ」と回答、その理由を解説

DIGDAYが気になる記事を更新。(元記事)

e-sportsスポンサーが「ビッグチームとの契約さえ投資効果がない」と回答した、とのことです。

実際99%のスポンサーが「投資効果を感じていない」と回答しています。

なぜ、日本のe-sportsには投資効果がないのか、その理由を解説していきます。

目次

e-sportsチームと契約しているスポンサー

・Honda(ホンダ)

・Coca Cola(コカ・コーラ)

・Red Bull(レッドブル)

・日清食品

・BEAMS(ビームス)

・KDDI

・再春館製薬所

・江崎グリコ

・ロート製薬

結構大きな企業が参入しています。

これから流行ると目をつけていち早く動いた企業です。

ジャンルは食品メーカーや製薬メーカーなどが多いです。

ゲームとのシナジーを考えた時に、比較的関係がありそうなメーカー達ですね。

なぜ、効果が薄いのか

単純に知名度が低い

e-sportsはまだまだ発展途上の業界のため、知名度は高くありません。

e-sportsに関する知名度を調査した結果があります。

「e-sportsを知っている」と答えた人は全体の71%で「関心のある」と答えた層はなんと10%しかいませんでした。

https://markezine.jp/article/detail/39947

また、関心のある層も30代以下の層に固まっており、学生も多く売り上げにつながらないのが現状です。

広告費>効果になってしまう

先ほど紹介したように知名度が低く、関心のある層も固まっているため、企業の売り上げに繋がりません。

e-sportsの知名度よりも企業の知名度が高い企業ばかりなので露出させる意味も低いです。

総じて、広告費を割く意味がないという結果になってしまっています。

広告に重要なハロー効果が生かせない

ハロー効果とは「有名人が持っているものを自分も欲しい」と思う権威性を活かした効果です。

アパレルやファッションであれば、有名人を起用して「私も同じバッグや服が欲しい」と思わせることが多いです。

e-sportsにおいてはその効果が狙いにくいです。

1つ目の理由として、プレイヤーに権威性がないことです。

「○○さんが使っているものを欲しい」という効果が狙えるほど知名度のあるプレイヤーがまだまだ少ないです。

特に食料品や製薬などは、あの人がスポンサーになっているから自分も食べよう、使おうとはならないと思います。

2つ目の理由としてゲーム関連との相性の悪さです。

プロゲーマーに期待できるハロー効果としてはやはり、ゲームやPCなどのデバイス関連になります。

・パソコン

・ゲーミングチェア

・ヘッドホン

・マイク

などなど

しかし、これらがファッションなどと違う1番のポイントは1点モノということです。

世の富豪であれば、いくつも所有している人もいるかもしれませんが、基本的に買い替えでもしない限り、複数所有することはありません。

故に、興味がある層は既にこれらを揃えていることが多く、プロゲーマーが使っていてもあまり売り上げに直結しないということです。

買い替えを検討しているタイミングで目にした人が「○○さんも使っているなら買ってみるか」となるかもしれませんが母数としてはかなり少ないでしょう。

また、e-sportsに興味のある若い層はお金に余裕がないので高額なPCやデバイスにはなかなか手が出しずらいのが正直なところです。

実際、HPのゲーミングパソコンブランドの「OMEN(オーメン)」はティームヴァイタリティ(Team Vitality)、ワンハンドレッドシーヴス(100 Thieves)、NAVI、クラウドナインら、複数のチームとスポンサー契約をしていました。

しかし、ほとんどの契約は現在終了しています。

1番相性の良さそうな商品でさえ、広告効果薄いという結果となってしまっています。

スポンサーにつくよりもイベントを主催する企業が増加

知名度のないプロチームと契約するよりも、自身でイベントを主催し、盛り上げる企業が増えています。

その方が、参加者や観戦者にとってはありがたいでしょうし、イメージもいいです。

大会やイベントがない限り、業界が盛り上がることはないのでこれは一長一短といえます。

なぜ、短なのかというと、プロになるメリットが薄くなれば、そこまで上手くなろうと夢見る人は減っていきます。

アミューズメントとして盛り上がることはあっても、スポーツとしての盛り上がりを見せることはなくなり、世界と戦えるプレイヤーが育つこともなくなるでしょう。

日本のe-sportsは終わり?プロは稼げない?

正直、衰退していく可能性が大きいと考えます。

e-sportsの専門学校などもでき、プロを志す人は増えています。

しかし、すぐにプロの厳しさに直面します。

なることそのものも難しいですが、なったところで食っていけない現実が待っています。

プロの収入源としては大き3つに分かれます。

大会賞金とスポンサー収入、ストリーミングからの投げ銭です。

日本では大きな大会賞金が出せないため、海外で活躍しないかぎり、これは望めません。

スポンサー収入は説明したようにどんどん減っていくでしょう。

残るはストリーミングによる収入です。

いわば配信者としての収入がメインになるのでぶっちゃけプロである必要もなくなります。

むしろ、プロとして活動しつつ、ストリーミングの活動も必要になるので人によっては足かせになることもあるでしょう。

上手ければ食える時代ではなく、ストリーマーとして活躍するスキルがない限りプロが食っていくのは難しい時代になっていくでしょう。

まとめ

e-sportsは伸びると思われていましたが、陰りが見えてきています。

世界的には成長している分野ですが、日本は厳しい現状と言わざるを得ないでしょう。

プロゲーマーを志す人は世界で活躍することを視野に入れておくことをオススメします。

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