家電量販店のノジマが2023年4月1日より、全店舗でCEROレーティング制度「Z」指定ゲームソフトの販売を中止することを発表しました。
また、ECサイト「ノジマオンライン」も準備ができ次第、販売を中止するとしています。
ノジマはこれまで「Z」指定ゲームソフトの販売においては、18才以上を販売対象とすることの表示や、購入時の確認などの販売ルールに沿って対応をしてきました。
しかし来店する全ての顧客が、より安心・安全に買い物できる環境を提供するために販売自体を中止することを決定したようです。
CEROレーティング制度とは?
まずCEROレーティング制度について見ていきましょう。
ゲームのパッケージに書いてあるこれです。
見ての通り「Z」が1番規制の対象としては厳しいものになります。
CEROとはConputer Entertainment Rating Organizationの頭文字を取ったもので、要するにゲームソフトの内容が年齢上相応しいかどうかを判断する組織です。
教育上、よろしくないゲームも多いですからね。
対象者
日本国内で発売される業務用ゲームを除く家庭用ゲームは全て対象となります。
隠し要素や、裏コマンドなども規制の対象に含まれるので抜け道はありません。
具体的にはこれらが該当します。
株式会社セガゲームス | ドリームキャスト |
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント | プレイステーション プレイステーション2 プレイステーション・ポータブル(goを含む) プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ プレイステーション4プレイステーション5 |
任天堂株式会社 | ニンテンドウ64 ニンテンドーゲームキューブ ゲームボーイ ゲームボーイアドバンス ニンテンドーDS ニンテンドー3DS Newニンテンドー3DS Wii WiiU Nintendo Switch |
株式会社バンダイナムコエンターテインメント | ワンダースワン |
日本マイクロソフト株式会社 | Xbox Xbox 360 Xbox OneXbox Series X|S |
パソコンメーカー各社 | パーソナルコンピュータ (対応OS:Windows各種、MAC各種) |
携帯電話メーカー各社 | 携帯電話・スマートフォン等 (対応OS:Android、iOS、WindowsPhone等) |
クラウドゲーム・サービス提供各社 | クラウドゲーム・サービス |
改めてみると任天堂とソニーは強いですね。
規制の対象となる表現
大きく分けて4つに分類されます。
・性的表現
・暴力的表現
・反社会的表現
・言語や思想に関する表現
具体的に見ると
性的表現はキス・抱擁・水着といったライトなものも含まれます。
暴力表現はケンカ・流血など、
反社会的表現は麻薬や非合法なギャンブルなどの犯罪表現を広く含みます。
言語思想に関しては差別的な表現など不適切なものを含みます。
それぞれ、CERO倫理規定に照らし合わせてゲームのレーティングが決められています。
基準の中に「直接的か間接的か」という基準もある為、匂わせでもダメなものはダメなようです。
審査方法
レーティング審査から年齢区分マーク表示までの流れは次の通りです。
1) ソフトウェアメーカーからゲームソフトの倫理審査の依頼を受ける。
2) 依頼された作品について複数の審査員が、表現内容等について審査をする。
※審査の対象となる表現項目は、「2.レーティングの対象となる表現項目」の27項目で、それぞれの表現項目には上限があり、上限を超える表現内容を禁止表現とし、禁止表現を含むソフトにはレーティングを与えないようにしております。
3) それぞれの審査結果をもとに、年齢区分を決定する。
4) 判定結果をソフトウェアメーカーに通知する。
5) ソフトウェアメーカーは、判定結果に基づき年齢区分マークを製品に表示する。
・審査員は、広く一般から募集した20才代~60才代までの様々な職業の男女で構成されていて、事前にCEROによるトレーニングを受けています。
・審査員は登録制で、審査内容について守秘義務があります。
・審査員にはゲーム業界と関連のある方は採用しておりません。
https://www.cero.gr.jp/publics/index/17/
・審査においては、審査員の性別や年代などの属性に偏りがないように配慮しています。
審査に関しても明確な基準があるわけではなく、審査員の主観によるものも大きいようです。
昨今のジェンダーへの配慮はもしかするとこの辺りも影響してるのかもしれませんね。
Z指定のゲーム
具体的にどのレベルがZ指定になるのかいくつか見ていきましょう。
メイドインアビス⁻闇を目指した連星⁻
原作を知っている人なら「あぁ…」と納得できると思います。
とにかくグロい表現が多いのでZ指定となっています。
苦手な人もいると思うので具体的な表現は避けますが、気になる人は↓からアマゾンのレビューを見てみてください。
月姫
今度はエロの方面での対象ゲームです。
元々がエロゲでコンシューマー用に作りなおしたものになっていますが、制限としてはZ指定となっています。
やはりストーリー上、改変しきれないものも多いですし、エロを削ると紳士が怒りそうなので仕方がないです。
同じく詳しく内容が見たい人はアマゾンで。
グランドセフトオート
反社会的ゲームの代表作、通称グラセフです。
ありとあらゆる違法行為ができるのでしっかりZ指定となっています。
似たようなゲームに龍が如くがありますがこちらはなんとD指定。
「D」と「Z」指定の超えられない壁
D指定とZ指定は対象年齢としては1歳しか変わりません。
しかしながら販売本数はDかZによって大きく変わります。
Zだけは特殊なのです。
というのもCERO A~Dは対象年齢の記載があるものの、対象年齢以下でも買うことは出来るのです。
Zだけは18歳以上にしか売ることができず、かつ販売店が年齢確認をしなければいけません。
Z指定のゲームはお酒やタバコみたいなものと思ってもらうとわかりやすいでしょう。
そのため、販売促進の手段が制限されたり、そもそも購入可能な層が狭くなったりとZになるだけでメーカー側はかなり損をします。
そこで本作はD指定の内容で作り上げ、DLCでZ指定の内容を追加するゲームも増えてきています。
こうすることで、過激な表現を求める人はDLCを買えばいい、そうでない人はそのままD指定のゲームを楽しめばいいと住み分けることができます。
DLCにエッチなコスチュームが入っている理由はこの辺りかもしれませんね。
多分、売れるからだと思いますが。
広がるエロ・グロへの規制
今回はノジマがZ指定のゲームの取り扱いをしないことを決めました。
これは時代の流れと言えます。
有名な動きとしては、2018年1月からコンビニで成人誌(エロ本)の取り扱いを中止。
子供や女性に配慮した動きとなります。
エロは広告やゲームでもすぐに炎上するネタです。
直接的な表現でなくても、女性を使っていないだけでも差別と騒がれる時代です。
今後も企業イメージや、下手なクレームを防止するために街から姿を消していくことでしょう。
これだけネットが広がった時代なので見たい人は人目に触れないところで、というスタンスは持っておいた方がよさそうです。