なぜリークは起こるのか?内部と外部の要因に分けて解説

最新ゲームや、人気のゲームのアップデート情報などリークされることが多くなりました。

最近であれば、ポケモンのスカーレット・ヴァイオレット、ゼルダのティアーズオブザキングダムなど。

なぜ、リークが起こるのか、その仕組みについて解説していきます。

目次

リークの流れ

リークが起こる原因としては大きく2つに分けられます。

開発関係者からのリークと外部のクラッカーによる情報流出です。

開発関係者によるリーク

メインの開発元による流出はそこまで多くありません。

なぜなら、情報統制がしっかりしていたり、リークしたことがバレた時の罰則があり、リスクが大きいからです。

せっかく大きな会社で働けているのにクビになるリスクを冒したくないですよね。

会社内の罰則だけでなく、不正競争防止法21条1項に乗っ取って刑事告訴される可能性もあります。

10年以下の懲役、または1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

第二十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、詐欺等行為(人を欺き、人に暴行を加え、又は人を脅迫する行為をいう。次号において同じ。)又は管理侵害行為(財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成十一年法律第百二十八号)第二条第四項に規定する不正アクセス行為をいう。)その他の営業秘密保有者の管理を害する行為をいう。次号において同じ。)により、営業秘密を取得した者

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=405AC0000000047

これは退職していても対象です。

1つ事例を紹介します。

「原神」という人気ゲームで事前情報のリークがされる。(Twitterで画像と文章が公開)

そこで開発元の「miHoYo」はリーク者を特定し、訴訟を起こし約890万円の支払いを求める。

対してリーク者の7名は秘密保持契約などは結んでいないと主張し、訴訟の有効性について争っている。

基本的には秘匿性の高い業務に携わる時には秘密保持契約を結ぶことがほとんどです。

ずさんな会社であったり、アウトソーシングで下請けの下請けの…と行くにつれてそのあたりのリテラシーは薄くなっていきます。

ゆえに、リークの原因となるのがスタッフロールにも乗らないような小さな会社の従業員であったり、バイトでたまたま情報を知りえたようなケースが多いです。

任天堂に勤めていれば、今さらリーク情報なんかで承認欲求を満たす必要もないと思いますが、小さな会社で働いていると「自分は任天堂の最新情報を知っている」ということを公開して承認欲求を満たしがちということです。

昨今の飲食店テロしかり、承認欲求は恐ろしいものです。

外部のクラッカーなどによる情報流出

先ほどの内部からの情報漏洩と異なり、外部のクラッカーなどによって情報が流出するケースです。

セキュリティが甘いとインターネットを通じて情報が筒抜けになります。

またバックドアといって内部の人間が外部から入る手助けをすることで容易にセキュリティをかわす場合もあります。

ゲーム開発は多くの会社、人間がかかわって行われるので脆弱性が見つかればそこから簡単に情報が漏れてしまいます。

隅々まで完璧な対策をするのが難しいので弱いところが狙われがちです。

また、物理的な流出もあります。

開発している社員が資料やPCを盗まれたり、置き忘れた場合。

ハニートラップや飲みの席で情報を漏らしてしまうなど人そのものが流出源にもなります。

各社、様々な対策は取っているはずですが、完璧なリーク対策は不可能と言えます。

フラゲ

リークとは異なる事前情報の漏れ方としてフラゲがあります。

フライングゲットの略で、普通より早く製品が手に入れられる人がゲームをプレイし、その動画や画像を上げてしまうことです。

発売日の直前に起こることが多いです。

特にゲームであれば、ゲームショップの店員がやることが多く、開発関係者に比べて圧倒的に数が多くなり、かつアルバイトが多いため責任感も希薄です。

Twitterで探せば、昨今のゲームはフラゲがない方が珍しいぐらいでしょう。

また、フラゲで発売している店もあります。

1日でも早く新作が遊びたいユーザーからするとありがたい店ですが、発売日を守っている店からするとたまったものではありません。

売り上げが大きく変わってしまうので店舗のフラゲ競争もまた問題になっています。

開発元のミス

ソシャゲなどを中心に開発元のミスで情報が漏れることがあります。

次回のアップデートの内容がデータに入ってしまっていたり、公開した画像に新キャラの情報が載ってしまっていたり。

ひどいものだとユーザーが普通に遊べる画面で見ることができることもあります。

コチラの画像をご覧ください。

ソースコードのミスでこのようにユーザーに見られたくない内容が公開されています。

こんな感じで公式によるリークもたびたび起こっています。

リークが及ぼす影響

人が知らない情報を知ると優越感があり、公開することで承認欲求を満たそうとしたり、お金にしようと考える人も少なくありません。

リークが起きる原因として大きく3点があります。

1.承認欲求

2.情報の換金性

3.発信元の秘匿化

現在、情報はお金になる時代です。

情報をそのまま売ることもできますが、Youtubeのネタとして取り上げたり、SNSでフォロワーを稼ぐネタにしたり、とにかく情報には価値があります。

そうした私利私欲のために情報をリークするわけです。

また、YoutubeやSNSなど本名を使わずとも情報が発信できるため、大丈夫だと思う人も増えているでしょう。

しかし、情報公開法の改定により、有事の際、発信元の情報を知ることができるようになっています。

大事になればバレるようになっているので安易に行わないようにしましょう。

また、リークによってどのような影響があるのか見てみましょう。

1.ユーザーの購買欲・期待感の低下

販売本数の低下

2.企業イメージの低下

株価への影響

3.ユーザーの課金意欲の変化

売り上げの低下

企業はどんな製品でも、発売に向けてユーザーが欲しくなるように情報を公開しています。

そうすることで最大の販売結果が得られるように考えています。

しかし、リークによって1度に大量の情報が出てしまい、発売日まで日数が開いてしまうとユーザーの購買欲は冷めてしまいます。

当然、販売本数の低下という悪い結果に繋がります。

また、セキュリティの甘さやリーク対策の不十分さは企業イメージの低下にもつながります。

株価の低下にもつながるでしょう。

株が絡むとインサイダー取引や空売りなど、株を通じて利益を得る人が出てくるので情報は本当にお金に変わる時代と言えます。

最後にユーザーへの影響です。

主にオンラインゲームなどのアップデート情報ですが、次のガチャで強いキャラが追加されることがわかったり、欲しいキャラが弱くなることがわかると、どうでしょう?

今のガチャは回さず次まで貯めておこうとなると思います。

ゆえに、現在売り上げられるはずだったガチャの売り上げがなくなるわけです。

課金がメインの売り上げになっているソシャゲでは致命的と言えます。

このようにリークは開発元の企業を苦しめ、好きなゲームの寿命を縮める行為と言えます。

安易に行わないでください。

まとめ

今回は昨今話題になりがちなリークについて解説していきました。

自分がする側になるのはもちろん、受け手になった時にも拡散しないようにするなど1人1人の対応が重要になります。

好きなコンテンツを応援するためにも情報統制に対する意識を高めていってほしいです。

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